投資のなかでも不動産投資は、比較的低リスクだと言われています。
一定の家賃収入が見込めれば、景気による変動が小さく利益率が安定しているからです。
ただし、まったくリスクがないわけではありません。
今回は、不動産投資のリスク管理のためにポートフォリオを使うメリットやデメリットについて紹介します。
不動産投資におけるポートフォリオとは何か
そもそも不動産投資におけるポートフォリオとは、ある対象を一元管理することで内訳や構成比率を明瞭にするものです。
投資で重要なのがリスク管理で、大抵の投資家は複数の金融商品を組み合わせて運用することでリスク分散を図ります。
そのため複雑になりがちな運用資産を管理するのに、ポートフォリオを活用するのが一般的です。
不動産投資の場合は複数の物件を所有するときに、地域や物件の種別などでポートフォリオを組みます。
たとえば、海外と国内、県別・市区町村別での保有比率や、一棟所有・区分所有の比率などを一覧にするのです。
これにより、全体の中で利益の出ているものと損失の出ているものが明確になります。
客観的な視点で、損失の出ている不動産の売却のタイミングを見定めることも可能になるのです。
不動産投資でポートフォリオを作成するメリットとデメリット
はじめての不動産投資の場合は、全資産や全投資の中で不動産投資が占める割合が確認できるようなものを作成します。
もともとポートフォリオは、保有物件を一覧にして運用状況を可視化することが基本です。
複数の物件を所有するようになれば、不動産投資だけでポートフォリオを組み、各不動産の内容が比較できるようにします。
不動産投資のリスクには、空き室リスクや修繕のリスクが考えられます。
たとえば修繕費は、複数物件の修繕時期が重なったり突発的なトラブルが発生したりすれば、想定外に大きな金額になるでしょう。
このような事態に備えられるのが、効果的なポートフォリオを作成するメリットです。
ただし、ポートフォリオは一度作って終わりではありません。
運用状況を踏まえて常に更新し続ける必要があり、手間がかかる点はデメリットです。
不動産投資専用のポートフォリオを組むなら、土地周辺の開発状況や築年数などの情報を組み入れる必要も出てくるでしょう。
ポートフォリオに定型やルールはないので、不動産のどの属性を基準に作成するかによっては、適切なリスク予測が立てられないことは知っておかなければなりません。
効果的なポートフォリオを作成するには、軸となる情報の見極めが大切で、経験を積む必要があるのです。