金融商品の相場を読む際に使う用語にデッドクロスがありますが、実は不動産投資においても使われます。
不動産投資で使われるデッドクロスとは、一体どのような現象をいうのでしょうか。
この記事では、不動産投資を検討している方に向けて、デッドクロスがなぜ起こるのか、また対処法なども説明していますので、ぜひ参考にしてください。
不動産投資のデッドクロスとは?
デッドクロスとは、ローンの元本返済額が減価償却費よりも大きくなる状態をいいます。
不動産投資をする場合、大半の方はローンを組みます。
ローンは元利均等返済の場合、毎月一定の金額を返済していくものですが、当初は経費にできる利息部分がほぼ占めており、元金の割合は年々増えていくものです。
一方、実際にお金は動きませんが、建物・付属設備の減価償却費は数年に分けて必要経費として計上が可能です。
年々増えていく元金に対して、経費として毎年計上できた減価償却費などは、一定期間がすぎると計上できなくなるため、経費が減ることで帳簿上は黒字になります。
この利益額により高くなった税金の分支払い額が増えるため、実際には帳簿上とは違い、赤字になる状態をデッドクロスと呼びます。
不動産投資のデッドクロスの原因と対処法
デッドクロスの原因は3点あります。
1つ目は、耐用年数よりも期間が長いローンを組むと、減価償却が途中で終わることが原因です。
2つ目は、古い物件を購入した場合、たとえば法定耐用年数をすでに経過した資産は法定耐用年数×20%が耐用年数で、それをすぎるとデッドクロスが起こります。
3つ目は、元利均等返済でローンを組む場合、年々元金の割合が増えるため、経費にできる利息分が減っていくことも原因の1つです。
そのため、元金は完済まで一定で、金利の部分のみ減っていく元金均等返済のほうが起こりにくいといえます。
対策としてはいろいろありますが、代表的な5つをあげます。
●築年数や価格を考慮した新たな不動産投資で減価償却費を計上する
●税率が変わる保有期間5年後から売却を考える
●減価償却費を計上している期間は、所得税が少ないので不動産購入の初期のうちに現金を運用しておく
●耐用年数の長い物件を購入する
●頭金を多めで返済額を少なくしデッドクロスの影響を減らす