近年、賃貸物件でタイルの剥落によるトラブルが続出しています。
賃貸管理を検討している方であれば、剥落がなぜ起こるかや、誰が責任を負うのか気になるかもしれません。
この記事では、賃貸管理において、タイルが剥落する原因や責任を負うのは誰かについてご紹介します。
賃貸管理:タイルが剥落する原因とは
タイルが剥落する原因はさまざまありますが、外壁タイルと下地素材の間の接着不良が、主な要因と考えられています。
下地素材は温度変化で膨張・伸縮などの変形を繰り返します。
直射日光や積雪により温度が大幅に変化すると、変形量も大きいでしょう。
下地素材が変形を繰り返すと、下地素材とタイルの接合界面で破壊が生じます。
また、地震などで大きな力がはたらいた場合も、界面破壊が生じタイルの剥落に繋がります。
そのため、タイルを貼る際はコンクリート躯体の表面処理として、目荒し処理をおこなう必要があるのです。
目荒し処理とは、ツルツルした表面をザラザラに加工する処理です。
目荒し処理は、塗装の剥離防止やコンクリート面とモルタルを馴染ませる目的などでおこなわれます。
タイル貼りも同様で、躯体コンクリートの表面に目荒し処理を施さないと、接着不足で剥落が生じるでしょう。
賃貸管理:タイルの剥落は誰の責任か
施工業者の施工不良がなかったとしても、タイルの剥落は発生します。
施工不良があるかどうかを知るための指標として「剥離率」があります。
一般的には剥離率が0.2%/年を超えるようであれば、施工不良として扱われるでしょう。
タイルの剥落が生じた場合に誰が責任を負うかは、過去にあった最高裁判例から分かります。
2011年の判旨は、建物としての安全性を損なう瑕疵があった場合、施工業者が損害賠償の責任を負うという内容です。
判旨から分かるとおり、タイルの剥落などが生じた場合は、設計者・施行者・工事管理者などが責任を負います。
また、剥落により人的被害がでた場合も、治療費・慰謝料として損害賠償が求められます。
タイルの剥落はどんな理由でも許容されないため、賃貸管理者は損害賠償請求の際に、瑕疵があったことを立証する必要はありません。
まとめ
賃貸管理において、タイルが剥落する原因や責任を負うのは誰かについてご紹介しました。
タイルを貼るための下地素材では、温度変化などにより界面破壊が起きやすく、表面処理を怠ると剥落に繋がります。
施工不良があった場合、設計者・施行者・工事管理者が損害賠償の責任を負うことも覚えておきましょう。
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