不動産投資の収益を考える上で切り離せないのが修繕費用です。
キャッシュフローに大きな影響を与え、きちんと把握しておかないと、想定外の事態となってしまいます。
今回は、不動産投資に必要な修繕の種類と時期や費用の目安について解説します。
不動産投資に必要な3種類の修繕について
不動産は時間が経過すると老朽化していきますが、その修繕義務を負っているのは基本的に不動産オーナーです。
修繕には3種類あり、それぞれ目的が異なりますので、ポイントを押さえていきましょう。
大規模修繕
建物を維持するために、長期的なスパンで必要になる修繕です。
外壁補修や機械設備の導入などいろいろありますが、いずれにせよ数百万円単位で費用がかかる可能性が高く、大きな支出が伴います。
毎月の家賃収入から定期的に積み立てるなど、計画をもった資金準備が大切です。
日常的に必要な予防的修繕
日々のメンテナンスに近い位置づけの修繕です。
たとえば、外壁や建物自体に修繕箇所がないかのチェック、シロアリの検査、入居者の要望による検査費用などが挙げられるでしょう。
こまめに建物の診断・対策することで、大きな問題が発生する前に予防でき、大規模修繕時の費用が抑えられます。
退去時に必要な修繕
入居者が退去したときに、そのままの状態で新たに募集するわけにはいきません。
いわゆる原状回復修繕が必要となり、ハウスクリーニングや、場合によっては壁紙や床の貼り換えなどが必要でしょう。
原状回復の費用については、不動産オーナーが義務を負っているわけではなく、借主に負担してもらうこともあります。
修繕箇所が、生活していれば当然想定できるような経年劣化ではなく、入居者の故意過失でできたものならば、入居者負担もよくあるケースです。
不動産投資における修繕の時期や費用の目安
つぎに、修繕時期・想定費用について解説します。
大きな費用がかかりますので、しっかり把握しておきましょう。
修繕時期の目安
日々のメンテナンスや退去時の修繕は数年ごと、または都度おこないます。
一方、大規模修繕は、建物の建築から10年・15年・20年などキリが良いタイミングで実施することが多いです。
修繕費用の目安
建物の戸数や規模にもよりますが、大規模修繕となれば数百万~1千万程度かかると想定しておくべきでしょう。
一般的に、給排水管工事は1戸あたり10万円~20万円前後、外壁も1㎡あたり1万円~2万円ほど費用が見込まれます。
これ以外にも状況に応じてさまざまな修繕費用がかかりますので、大きな支出となることは間違いないでしょう。